2019年01月21日

顧客の声は聞くべからず?

┌┐━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥‥
└■  遥か上空の旅客機を探す...
     そんな浜松市の高台より
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     ┏━┳━┳━┳━┳━┓
     ┃経┃営┃徒┃然┃草┃
     ┗━┻━┻━┻━┻━┛



「お客さまの声をよく聞きなさい」といわれます。商売のヒントも答えも、

全てはお客さまの声にあるという考え方は、

顧客満足を追求するうえではもっともな意見でしょう。

現場のリアルな反応には、

そこでしか得られない鮮度の高い情報が反映されています。



ところが、顧客の意見をできるだけ取り入れた結果、

商品がまったく売れなかったという話も聞きます。

顧客がデタラメを言ったのでしょうか?

それとも顧客の意見を読み違えたのでしょうか?



『ユーザ中心ウェブビジネス戦略』という本によれば、

これは人間の無意識による結果だそうです。

行動心理学とデータ分析で多くの顧客の行動を観察してきたという本書の中で、

とても興味深い事例が紹介されていました。



ある食器メーカーが主婦5人に

「次に買うとしたらどんな食器が欲しいですか?」と聞きました。

主婦たちは話し合い

「黒くて四角いおしゃれな皿が欲しい」という意見でまとまりました。

その帰り際に「お礼としてサンプルの食器の中から

お好きなお皿をひとつお持ち帰りください」と言うと、

なんと5人全員が「白くて丸いお皿」を選んだとか。

その理由は「自宅のお皿は丸いものばかりなので、

丸いお皿でないと重ねて置けない」

テーブルの色に合わせて食器は白でそろえている」などだったそうです。



落語のオチのような話ですが、

行動心理学的で考えられる理由のひとつは想像力の限界です。

「黒くて四角いおしゃれなお皿」は主婦5人の想像で、

具体的にあるわけではありません。



人は、具体的でないものに対して

良しあしの判断をつけられないそうです。

もうひとつは認められたい願望です。

グループで話し合うと、他のメンバーや主催者に

認められやすい発言をしがちだそうです。



ただ、これは人間として仕方のないことなのでしょう。

主婦がデタラメな話し合いをして「黒くて四角いお皿」と言ったわけではなく、

人間の無識がなせる「認識」や「認知」の表れ方のひとつなのです。

顧客の声なんてアテにならないという話ではありません。

最終的に決めるのは全て自分自身なのです。





☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆
Otax - 税理士太田彰サイトへ「早いもん勝ち」より「続けたもん勝ち」
Written by Akira Ota -Tax Accountant  
タグ :税理士浜松


Posted by akky at 16:52コラムKEIEI