› 浜松の税理士太田彰「経営徒然草」

  

2021年08月15日

親族からの借金には注意!

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「脱サラして個人で事業を始めようと考えています。

その際、資金を調達する先としては

どこが理想的なのでしょうか」という質問がありました。



開業資金を調達する場合、

一般的には親族から借りたり、

銀行から融資を受けるケースが多いと思います。



友人などから借りるという方法もありますが、

お金のトラブルは後々、

大変なことになるため

できるだけ避けたほうがよいでしょう。



そこで、親族からお金を借りる場合は

税務上、気を付けなければならない点が

いくつかあります。


例えば、きちんと契約書を作成して毎月、

通常の金利で利息や元本の返済を行っていても、

生計を共にしている親族への利息は

必要経費とはなりません。



また契約書を作成せずに

返済もしていない状況であれば、

借りたお金は「贈与ではないか」と

税務署から指摘を受ける可能性もあります。



そうならないためにも、

親族から借りる場合であって

もきちんと契約書を作成し、

その契約書に則って返済しましょう。



とはいえ、

長い時間をかけて商売をしていくわけですから、

やはり銀行との関係は大切になります。

実績と信用を作って

将来のチャンスやピンチのときにも

融資が受けられるように、

早いうちから銀行とのパイプを

作っておいたほうがよいかもしれませんね。



新たな人生のスタートで

つまづかないように気を付けましょう!




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Written by Akira Ota -Tax Accountant  


Posted by akky at 15:15コラムTAX

2021年07月15日

フリマで得た利益の課税は?

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フリーマーケットなどで

不要となった日用品や古本などを売って、

家の中の整理整頓と

お小遣い稼ぎの一挙両得を

楽しんでいる人も多いでしょう。



最近ではスマートフォンのアプリを利用して

簡単に売ったり買ったり

することができるようになり、

ますます便利になっています。


さらに不要品を売ったら

思ってもみなかった値段がついて、

多額の利益を得る

というケースもあるようです。



では、このような場合に税金はどうなるのでしょうか。



家具・自家用車・衣類など

生活に通常必要な「生活用動産」の

譲渡による利益に対しては、

税金はかかりません。



ただし貴金属や

宝石・書画・骨とうなどについては例外もあり、

1個または1組の価額が

30万円を超えるような

高級な品を売って得た利益に対しては

税金がかかります。



この場合でも、すべての利益に対して

税金がかかるというわけではありません。



このような譲渡による場合には

特別控除(最高50万円)が認められており、

50万円までの利益に関しては

課税の対象外なので税金はかかりません。



この制度があるため

自宅にある生活用動産を売っても、

ほとんどのケースで

税金は発生しないのではないでしょうか。



しかしながら、

何度も反復的に売買を行って

利益を得ているような場合には、

その行為が営利目的とみなされて

課税の対象となるので注意しましょう。





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Written by Akira Ota -Tax Accountant  


Posted by akky at 16:34コラムTAX

2021年06月15日

中小企業の資本金基準

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2021年3月、旅行会社大手のJTBが、

資本金を23億400万円から1億円に減少させました。

そこで今回はこの「減資」について考えてみましょう。



昨今のコロナ禍において、

旅行業界はその影響を最も受けている業種のひとつです。

企業の業績は悪化し今後も厳しい状況が続くと思われ、

1秒でも早い回復の兆しを待ち望んでいることでしょう。



そこで打った手が今回の減資です。

減資には「有償減資」と「無償減資」があります。

有償減資は会社の財産を株主に払い戻して行うもので、

無償減資は会計上の処理により形式的に行うものです。



今回のJTBの減資は無償減資の形をとりました。

では、なぜそうまでして減資を行う必要があったのか?

それは、減資をすることにより

税制上のメリットを享受できるからです。



法人税法では資本金の額により

税制上の取り扱いが異なります。

その額の分岐点が

「1億円以下」か「1億円超」かなのです。



例えば、資本金が1億円以下であれば

法人税の税率が軽減されたり、

繰越欠損金が全額控除できるようになったりと、

多くのメリットを受けることができます。



また法人事業税においては

外形標準課税が適用されないため、

税負担を抑えることが可能となります。



これらのことから今回のJTB以外にも、

やむなく減資に踏み切る大企業は他にもあるようです。






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Posted by akky at 15:40コラムTAX

2021年05月15日

デジタル社会に向けた税制改正大綱

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2021年度の税制改正の大綱が閣議決定されました。

その中にはポストコロナに向けた

経済構造の転換・好循環の実現を図るため、

企業については

「デジタル技術を活用した企業変革を推進する」ための

「デジタルトランスフォーメーション投資促進税制」が

新たに創設されます。



また申告書や届出書における押印の廃止、

電子帳簿保存の簡素化などがあります。



例えば、法人税においてはポストコロナに向けて

産業競争力を強化するため、

デジタル技術を活用した企業環境を構築すべく、

社内に整備されているサーバーや

ソフトウエアなどをクラウドシステムに移行するための

投資(ソフトウエア・機械装置・器具備品の取得)を

行った場合に税額控除(5%・3%)

または特別償却(30%)ができる

措置が創設されます。


また整備面においては

行政手続きで書類の押印義務が見直されます。



そのため一部の例外を除いては、

確定申告書や各種届出書についての

押印が不要となります。



さらに電子帳簿保存の簡素化については、

従来は事前に必要だった

税務署長の承認が廃止されたり、

信頼性の高い電子帳簿については

過少申告加算税を5%軽減するといった

刺激策が講じられます。



今後、データの電子化がますます加速していくため、

どこまでデジタル社会の実現に

近づけるかが期待されるところでしょう。





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Written by Akira Ota -Tax Accountant  


Posted by akky at 10:30コラムTAX

2021年04月15日

法人成りと税務

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個人事業主が株式会社などの法人を設立し、

その組織の中で

現在の事業を引き継いで行っていくことを

一般的に「法人成り」といいます。



先日、飲食店のオーナーから

「法人成りを考えていますが、

具体的な注意点を教えていただけないでしょうか」

という質問がありました。



「法人成り」をした年の所得税の確定申告では

「個人事業の廃止」

「個人資産の法人への引き継ぎ」

「法人からの給与の支給」など、

さまざまな所得が発生し

確定申告が大変複雑になります。



例えば棚卸資産を法人へ譲渡する場合、

通常の販売価額の70%未満で

譲渡すると低額譲渡に該当します。

その場合には、

譲渡した販売価額と通常の販売価額の

70%に相当する金額との差額を

総収入金額に算入しなければなりません。



また個人事業主のままであれば

翌年の必要経費となる事業税を、

特例的に見込み額で

廃止年分の必要経費に算入できるなど

特殊な取り扱いも生じます。


その他では、

例えば棚卸資産以外の土地建物を

法人に譲渡すれば「分離課税の譲渡所得」、

車両や備品などの固定資産であれば

「総合課税の譲渡所得」として

税金の計算を行います。



さらに法人化後は、

法人から給与を受け取るため

給与所得なども生じます。



このように個人事業を法人化する際には、

通常の年とは異なる特殊な取り扱いが

発生することが注意点となります。





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Posted by akky at 11:13コラムTAX