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2021年06月15日

中小企業の資本金基準

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2021年3月、旅行会社大手のJTBが、

資本金を23億400万円から1億円に減少させました。

そこで今回はこの「減資」について考えてみましょう。



昨今のコロナ禍において、

旅行業界はその影響を最も受けている業種のひとつです。

企業の業績は悪化し今後も厳しい状況が続くと思われ、

1秒でも早い回復の兆しを待ち望んでいることでしょう。



そこで打った手が今回の減資です。

減資には「有償減資」と「無償減資」があります。

有償減資は会社の財産を株主に払い戻して行うもので、

無償減資は会計上の処理により形式的に行うものです。



今回のJTBの減資は無償減資の形をとりました。

では、なぜそうまでして減資を行う必要があったのか?

それは、減資をすることにより

税制上のメリットを享受できるからです。



法人税法では資本金の額により

税制上の取り扱いが異なります。

その額の分岐点が

「1億円以下」か「1億円超」かなのです。



例えば、資本金が1億円以下であれば

法人税の税率が軽減されたり、

繰越欠損金が全額控除できるようになったりと、

多くのメリットを受けることができます。



また法人事業税においては

外形標準課税が適用されないため、

税負担を抑えることが可能となります。



これらのことから今回のJTB以外にも、

やむなく減資に踏み切る大企業は他にもあるようです。






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Written by Akira Ota -Tax Accountant



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